脳梗塞から回復するには?知っておきたい脳梗塞の特徴と回復を促すリハビリをご紹介します
脳梗塞は、脳に血栓と呼ばれる血の塊が詰まってしまうことにより起こる病気です。
脳の血流を遮るわけですから、一刻も早く血栓を除去する必要があります。
一般に処置・治療が早ければ早いほど、リハビリによって体の機能が回復する期間が短縮されると期待されます。
救急車の到着・救急病院への搬送・迅速な治療が揃っていれば、これ以上言うことはありません。
後は身体の機能をしっかりと元に戻すよう、自分自身が全力で治療に専念することが大切です。
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脳梗塞から回復するには?知っておきたい脳梗塞の特徴と回復を促すリハビリをご紹介します
- リハビリが必要になる脳梗塞の症状
- リハビリが必須の脳梗塞はどのような理由で起こる?
- 後遺症が残ることが多い脳梗塞はどのようなリハビリが必要?
- 身体障害以外に脳障害も起こる脳梗塞とリハビリ
- 脳梗塞発症後の急性期に必要なリハビリ(2023/3/1)
- 脳梗塞発症後の回復期に必要なリハビリ(2023/3/1)
- 脳梗塞発症後の維持期に必要なリハビリ(2023/3/1)
- 脳梗塞後看護師やリハビリ士と行う関節可動域訓練(2023/3/1)
- 脳梗塞後の生活に欠かせない機能回復訓練のリハビリ(2023/3/1)
- 脳梗塞発症後に取り組む離床訓練のリハビリでの注意点(2023/8/4)
- 脳梗塞後に自宅で始められるリハビリ(2023/8/4)
- 脳梗塞後のリハビリをスムーズにする自宅の改修(2023/8/4)
- 脳梗塞のリハビリで心がけたいこと(2023/8/4)
- 脳梗塞を発症してもリハビリで社会復帰は可能?(2023/8/4)
脳梗塞から回復するには?知っておきたい脳梗塞の特徴と回復を促すリハビリをご紹介します
脳梗塞の手術が終わってからも、身体にはまだ点滴が幾つも用意され治療が施されます。
直ぐには飲食ができないため、およそ術後3日程度を経たのちに飲食が許されるのです。
このつらい期間を経たのち、飲食の許可とともにリハビリの開始となります。
脳梗塞が起きてから、身体の機能が回復するまでの期間は約3か月。
状況によっては6か月までが回復期間と呼ばれます。
この間のリハビリは理学療法士・言語聴覚士・作業療法士と呼ばれるプロフェッショナルが、患者さんの回復をサポートしてくれるのです。
リハビリが必要になる脳梗塞の症状
脳梗塞とは脳の血管が詰まってしまう深刻な生活習慣病の一つですが、リハビリが必要になってしまうほど悪化してしまうとなかなか完治させることができません。
そうならない為には日頃からストレスを溜めずに生活すること、適度な運動やバランスの良い食事を心掛けることが大切ですが、それでも脳梗塞の兆候がみられた場合には直ぐに検査を受けるようにしましょう。
考えられる脳梗塞の症状としては、軽いものだと手の痺れや視界のぼやつき、時々呂律が回らなくなってしまうなどが考えられます。
かなり深刻化している状態の場合だと、身体に力が入らなくなって自由に動くことが困難になる、見える範囲が狭くなって生活に支障をきたしてしまうほど見えづらい状況が続くなどがあります。
とくに身体に痺れを感じたりそれがずっと継続する場合、脳の働きが鈍っていることを示しているので早期の治療が望まれるでしょう。
治療方法としては薬物療法が一般的ですが、重症化していると手術のケースもあるので覚えておいてください。
リハビリが必須の脳梗塞はどのような理由で起こる?
脳梗塞は脳卒中のなかでも発症頻度が最も高く、比較的若い年齢の方でも罹患するので有名人が発症した事例を耳にした経験をお持ちではないでしょうか。
後遺症がのこることが多く、回復後もリハビリが必須といえますが、どのようなメカニズムで発症するのでしょうか。
脳梗塞の原因で重要なのは高血圧や動脈硬化などの生活習慣病にあります。
高血圧は血圧が上昇することで全身の血管に慢性的にダメージを与えます。
動脈硬化は微小な炎症が発生し、これを沈静化するために血小板などが凝集し、やがて粥上のアテロームが生み出され、血管内部が狭く内壁が硬く脆くなってしまうというものです。
いずれも脳内血管を含めてダメージを与えるため、これらの基礎疾患をもっている患者の体内は閉塞しやすくなっています。
そこに粘度の高い血液が流れ込むと血栓が形成されやすく、わずかでも閉塞を発生しかねません。
このように基礎疾患の影響でつまりやすいのが、脳梗塞が発症する理由です。
後遺症が残ることが多い脳梗塞はどのようなリハビリが必要?
脳梗塞は後遺症ごとに取り組むリハビリが変わります。
男女共に脳梗塞で比較的多いと言われるのが、手足の麻痺です。
大きく感覚と運動の2つに分類される麻痺は、歯を磨く、箸を持つといった日常生活で当たり前に行えていた動作ができなくなります。
足に麻痺の症状が出ると歩行にも影響が出るため、電気刺激療法、歩行訓練を繰り返しが基本です。
麻痺以外に多い後遺症として言語障害があります。
言語障害はスムーズに言葉を発せられない、相手の話している内容が理解できないといった症状です。
コミュニケーションが図れなくなることで、ストレスを溜めて他の病気を併発する人も少なくありません。
言語障害は口や首の機能強化、言葉の発声練習のリハビリが中心です。
そのほか、極稀に脳の損傷で認知障害を患う人もいます。
人の顔を判別できない、物忘れをするなどが主な症状です。
認知障害は生活環境を整えつつ、その時々で必要な機能や動作を取り入れながら進行を抑えます。
身体障害以外に脳障害も起こる脳梗塞とリハビリ
脳梗塞に罹患すると症状が回復しても何らかの後遺症が残ることが多いようです。
どのような後遺症に遭遇するかは、子脳細胞がダメージを受けた部位により左右され、極めて多彩です。
片麻痺に代用される身体障害は典型的ですが、言語・嚥下機能の障害や、一見すると健常者と見極めがつかない高次脳機能障害などもあるほどです。
このように脳梗塞で遭遇しうる後遺症は多彩なので、主治医と看護師のほか各種の専門家のサポートを受けながら、症状に応じてリハビリを選択することが大事です。
高次脳機能障害に代表される脳障害では、大脳などが損傷し大きく認知能力が低下した状態です。
認知機能といっても症状はバラエティに富んでおり、短期記憶障害・理解力判断力の低下のほか失語・発話がうまくできないなど患者様は様々な葛藤を抱えることに成り、しばしば生活の質を大きく下げる要因となります。
いずれも根本的な治療はなく、専門家のサポートを受けながら、こまめにメモを取る・繰り返し苦手な作業を習熟することを意識するなど、息の長い、リハビリが求められます。
脳梗塞発症後の急性期に必要なリハビリ
以前は脳梗塞発症後すぐにからだを動かすと、病状が悪化すると認識されていました。
しかし15年ほどまえに治療のガイドラインが改正されて、現在では早い段階で発症直後からのリハビリが推奨されています。
症状を緩和することができて、誤嚥性肺炎の合併率の低下や脳梗塞患者全体の死亡率の低下という成果にもつながっていることからも、その見解の信頼性は明らかです。
急性期のリハビリは発症後48時間以内に開始するのが望ましいとされています。
速やかな訓練の開始には長時間体を固定することによる、筋力低下や関節がかたまるなどの「廃用症候群」の発症リスクを低下させることに主眼があります。
誤嚥を防止する観点からは、摂食や嚥下動作のトレーニングも含まれます。
急性期のあとには回復期が控えているわけで、円滑な機能回復には事後を見据えたメニューが必須です。
そのため食事はもちろん着替えやトイレ・入浴などの生活の基本動作を習得するADL訓練も含まれています。
脳梗塞発症後の回復期に必要なリハビリ
脳梗塞発症後のリハビリは、急性期・回復期・生活期の3つのステージから構成されます。
急性期では発症後48時間以内にリハビリを開始することが推奨されてきました。
かつては脳梗塞発症後すぐの段階で、からだを動かせることには病状を悪化させるとの懸念が有力でしたが、最近では早い段階で機能訓練を実践することの優位性がデータの裏付けにより明らかになっています。
急性期には機能低下を防止し、座る・立つ・車椅子に乗り移るなどの基礎的動作に重点がおかれます。
同時に誤嚥性肺炎を防止するべく、摂食・咀嚼のほか、ADL訓練(トイレや入浴・着替えなどの生活基本動作の習得)が同時平行で進捗します。
症状が回復する段階に移行したら、機能回復がメインです。
機能回復訓練はそれぞれの患者様が抱える問題に応じて、訓練メニューは考案されるわけです。
例えば運動麻痺が見られる人には、運動機能回復、うまく会話できないなどの発話機能障害がある方には、それぞれの症状に適切な訓練が選択されます。
脳梗塞発症後の維持期に必要なリハビリ
脳梗塞の発症後の期間は3つあり、その中で一番最後の期間が維持期です。
生活期とも呼ばれるこの時期は発症以前の生活を送るための訓練で、実施するのは患者さんが生活している環境で行われます。
住んでいる家や病院を退院してから過ごすマンションや高齢施設など、退院してから通常の生活が送れるかどうか、送るための体の動きや工夫をデモンストレーションします。
ご飯を作る、トイレやお風呂、買い物に出かける、ベットに入るなどの生活がスムーズに行うことができるか、どのように工夫すれはできるかを訓練します。
この維持期のリハビリを行う前には、退院後に過ごす環境を改善する必要があり、玄関やトイレ、お風呂のバリアフリー、階段や廊下に手すりを設置する、玄関で靴を履く時にスムーズに行動できるよう手すりやスロープをつけるなどを行います。
脳梗塞後は転倒を起こすことが多く、転ばないような環境に改善することが大切で、積極的に杖を使って外出する事も訓練の一つです。
脳梗塞後看護師やリハビリ士と行う関節可動域訓練
脳梗塞では脳内の血管に閉塞をおこすので、栄養血管による血流を受ける領域の脳細胞は程度の差こそちがいはあってもダメージを受けています。
そのため症状が回復しても、何らかの後遺症が残っていることが珍しくありません。
また治療では安静状態を維持することによる弊害も意識されてきました。
脳梗塞自体は軽度であっても、過度な安静状態におかれることで手足の筋力が低下し、せっかく病気が回復しても実質的に寝たきり状態になるリスクもはらんでいます。
とくに自立した日常生活を維持する上では手足の関節の自由が確保されていることが重要です。
安静にしたままでは関節が硬くなり、移動域が制限されることも。
そこで脳梗塞のリハビリではしばしば関節可動域訓練が採用されてきました。
この訓練は看護師や理学療法士などが担当するもので、仮に安静状態であっても関節の柔軟性を確保するためにからだに無理のない範囲で可動域を維持する目的で、関節可動域訓練が実施されています。
脳梗塞後の生活に欠かせない機能回復訓練のリハビリ
人の体を襲う突然前触れもなく襲う「麻痺」。
これは脳内で血管障害などによって引き起こされる脳梗塞が原因です。
これら急に起こる脳梗塞が起きた後に必要な機能回復訓練として不可欠なものが「リハビリテーション」とっ呼ばれています。
そしてこれには行う時期によって3つに分類されるのです。
まず初めに初期の段階で行う訓練、続いて回復期に必要な訓練、そして退院後に自宅などで行なう訓練の3つのパターンです。
まず初期の急性期の段階で行う訓練は、かっては禁止されていた行為ですが現在では、必要不可欠な訓練と言えるでしょう。
この時期に動かなくなった体の機能を「回復させよう・動かしたい」と行動し訓練することが「脳梗塞」状態から早く脱するベストな行為と言えます。
訓練にはストレッチ・体を動かす訓練・食事や着替えなど日常必要な動作を行うことや、運動麻痺などから脱する訓練などです。
続いてリハビリ専門の病院や、病院内の専門の施設で理学療法士などの指導で行う機能回復訓練です。
この訓練は機能回復に必要な器具などの施設が備わっていることや、理学療法士が指導のため、患者は安心して訓練に専念できます。
そして3番目は退院後に自宅などで行う訓練で、廊下に手すりを取り付けて歩行を助けたり、お風呂やトイレなどに補助器具を設置して運動機能の回復を補助をおこなう訓練です。
脳梗塞発症後に取り組む離床訓練のリハビリでの注意点
脳梗塞では症状の回復過程にあわせてリハビリを実践することがポイントです。
回復過程では発症まもなくの急性期から回復期に掛けて、座床状態からの回復のために各種の訓練が選択されます。
離床訓練は急性期のカテゴリーに妥当し、発症後二週間ほど経過するまでの期間です。
湖の時期の主な目的は廃用症候群の防止です。
廃用症候群とは、治療などの必要に迫られて過度な安静を恒常的に継続することで全身の筋肉が萎縮し機能低下がもたらされる状態のことです。
脳梗塞で安静にしていると、それだけ運動の機会が減少します。
運動の機会がへるとさらに筋力は低下し、寝たきり状態まで負のスパイラルになりかねません。
基本は手足の筋力を維持することにあり、具体的には体位変換や自力ですわって姿勢を維持する、手足を動かして関節の硬直を防止するなどが中心となります。
いずれも安定した姿勢であることがポイントで、不安定な姿勢では転倒のおそれがあるため無理をしないことが大事です。
脳梗塞後に自宅で始められるリハビリ
脳梗塞後は後遺症で生活に支障が出てしまうケースは多いため、自宅で始められるリハビリを行うことが重要になります。
最初は無理をせずにリハビリを行うためにも座った状態で行えるストレッチを行いましょう。
手足の動きを改善するストレッチとしては、椅子に座った状態で両天を組んで肘をまっすぐにして、腕を一度床まで下ろし左右対称に動くことを意識しつつ腕を天井に向けてゆっくりと持ち上げます。
次に両手を組んで肘を曲げたら、肘の位置を動かさないようにしながら肘を伸ばします。
寝たままで行えるストレッチならば、仰向けで両手を組んだ状態から肘を伸ばし、勢いをつけずに両手を頭の上まであげます。
次は仰向けで胸の上で両手を組んで、背中が反らないように注意しながら天井に向けてゆっくりと肘を伸ばす動きを何度か繰り返します。
このストレッチによって脳梗塞後手足のつっぱりの治療を続けている患者さんも、手足の動きを改善するのに役立ちます。
脳梗塞後のリハビリをスムーズにする自宅の改修
健康に気を付けて定期的に体を動かしたり、栄養のある食事バランスをとっているにもかかわらず脳梗塞になってしまうという人は少なくありません。
脳梗塞で倒れてしまうと聞くと絶望的に思えるかもしれませんが、そのようなことはありません。
リハビリを行うことで不自由なく日常生活を送ることが出来ている方はたくさんいます。
脳梗塞後リハビリをスムーズにするうえで欠かせないのが、自宅の改修です。
例えば、玄関や廊下や部屋やトイレなどに手すりを付けることで自分でも移動することが出来ます。
無理のない範囲で安全に気を付けながら身体を自分で動かすことで、自分の意識と意欲を高めることが出来ますし、手足を使うことで運動機能も回復させることが出来ますのでできるだけ動かしましょう。
自宅の改修は医療や介護保険などが適用される場合が多いですし、様々なサービスなどを受けることもできますので市役所などに相談することをお勧めします。
脳梗塞のリハビリで心がけたいこと
脳梗塞のリハビリで心がけたいことは3つあります。
一つ目は一刻も早くリハビリに取り組むことです。
一般的な回復期間は、3か月から長くても6か月と限られています。
少しでも早く着手することが、何よりも望まれます。
脳梗塞でマヒした身体から回復するための訓練は、とにかく急ぐことが大切です。
二つ目として、機能回復の専門家による訓練を受けることが必須となります。
先ずは、話すことや聞くことなど言語訓練を専門とする「言語聴覚士」がいます。
日常生活の基本機能回復を取り扱う「理学療法士」が支援します。
細やかな作業など身体的応用動作回復を目指す「作業療法士」の3人のプロが揃って、訓練が成り立つことを覚えておいてください。
最後に心がけたいこと、それはどんなに辛くても苦しくても諦めないことです。
訓練は言葉で言うほどやさしくありません。
それでも自分で自分の身体にムチを打って、「元の状態にまで回復させる」という断固たる決意を持っていただきたいものです。
脳梗塞を発症してもリハビリで社会復帰は可能?
脳梗塞を発症すると治らない、寝たきりの状態になる、後遺症が残って手や足に障害が出ると考える人は多くいます。
しかし実際は発症しても社会復帰は可能で、発症前の通常の生活を送ることができます。
脳梗塞でも社会復帰できる条件はまずは早めに対処することが大切です。
異変に気づいたら早めに医療機関を受診する、これが通常の状態に回復することになります。
ただその後医療施設で何もしなければ意味がなく、早めにリハビリを受けることが必要です。
一般に発症後3日以内にリハビリを開始すると改善の効果があると言われて、早めの機能訓練は大事です。
この訓練は普段の生活においての動作である、歩行訓練や体力の増強を促す訓練、寝ることや起き上がることなどの通常の生活においての動作ができるようにします。
他にも動きの悪い箇所や出足の不自由な箇所を動かせて復帰を促す作業療法の分野、言葉における発音がうまく出せる、食事ができるなどの言語に関する訓練で、元の健康な体の動きを改善します。